キャッシュがあれば怖くない!?流動比率と当座比率で安全性を測る
安全性の指標として、自己資本比率があるのはかなり有名な話です。この自己資本比率は大体30~40%程あれば問題ないと判断できるでしょう。
さて、では自己資本が少ないような企業はすぐに倒産する危険性があるという判断になってしまうのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
今回は業務スーパーで有名な神戸物産の例を考えながら、自己資本比率とは異なる安全性の指標である流動比率や当座比率について考えてみましょう。
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神戸物産の自己資本比率は10%程度だから危険?
神戸物産の自己資本比率を見てみましょう。2017/06/07現在で12.43%というかなり低い数値を出しています。
自己資本比率だけで判断するとかなり危険な数値と見ることができます。自分が持っているまるで自分が保有しているお金の9倍程度のお金を借金しているようなものですからね。
ちょっと危険な経営をしているのではないかと考えてしまいます。
さらに、神戸物産はそのように自己資本比率が低いにも関わらず、2016年に自社株買いを実施しました。せっかく貯まった資金を財務の改善に当てているわけではなく、株主還元に使ったのです。
(関連記事:【業務スーパー】神戸物産は高い売上高営業利益率を誇る独断おすすめ優良株!)
少し資金の使い方としてハテナが浮かんだ人もいることでしょう。
しかし、流動比率や当座比率を見てみると、神戸物産はキャッシュ(もしくはキャッシュになりやすい資産)が豊富にあるために、別に直近の資金繰りに困っているわけではないということがわかります。
神戸物産の流動比率は290.66%、当座比率は266.49%です。
この流動比率と当座比率はどういう指標なのかを次で説明します。
流動比率と当座比率とは?
流動比率は以下の式で表されます。
分子が流動資産で分母が流動負債です。
流動資産とは短期間でキャッシュ化できる資産であり、流動負債とは短期間でキャッシュ化しなくてはいけない負債のことです。
直近においては流動負債分のキャッシュを払うことができれば特に企業運営において問題はないわけです。なので、流動負債を上回るキャッシュを用意できるかというのが倒産しないポイントとなってきます。
流動比率はそれを見る指標なのです。
ただ、100%であれば大丈夫というわけではありません。流動負債と流動資産には時期的にズレがあるからです。
例えばですが百万円の借金の返済が1ヶ月後で、百万円をキャッシュ化できる当てが3ヶ月後だとしたら、流動比率は100%だとしても実質資金が足りないことになってしまいます。
できることなら流動比率は150%程度、余裕を見るのであれば200%あると、ひとまずは安心ということができるでしょう。
一方、流動比率と類似した指標で当座比率という指標があります。当座比率とは以下の式で表されます。
分子が当座資産で分母が流動資産です。
当座資産とは流動資産の中でもさらにキャッシュ化しやすい資産です。具体的には当座資産は棚卸資産や未収入金といったものが流動資産から除外されます。
つまり、当座比率は流動比率よりもより確実性を増した指標ということができます。
当座比率は100%以上であれば、直近の企業運営において問題ないと見ることができます。
つまり、神戸物産の流動比率や当座比率を見てみると、直近の資金はショートしないだろうと見ることができるのです。
自己資本比率は流動比率や当座比率といった指標と比較すると、長期的な企業運営についてを考えた指標と見ることができます。
業務スーパーの企業運営の仕方はまるで30年ローンで一戸建てを購入したサラリーマンのようなものです。借金は年収を上回るくらい大きいものだけど、30年かけて返せばいいので、直近でキャッシュをそこまで必要としないわけです。
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