株投資の運用利回り実数計算!【ディーツ法と修正ディーツ法】
投資の神様ウォーレン・バフェットは株の平均運用利回りが20%を超えています。毎年20%を超えるってすごいことですよね。
バフェットは60年以上投資をしています。仮に100万円から投資を始めたとして、年率20%の複利で60年増えていったらどのくらいの金額になるのか計算してみたらなんと約470億円になるようです。
(関連記事:長期投資による複利効果の恩恵を受けるべし!)
別に利回りを出しても、投資成績が良くなるわけではないですがやはり運用利回りを出してバフェットのような偉人と自分の利回りを比較してみたいですよね(笑)
ただ、利回りを計算しようと思っても「あれ?途中で株を購入したり売却したりしているからどうやって計算するの?」って悩んじゃいますよね。
今回は私の実際の運用を用いて運用利回りの計算方法をお教えいたします。
是非こちらを参考に、自分の運用利回りを計算してみてください。
断っておきますが、バフェットの運用利回りを超えたからと言って、調子に乗ってしまってはいけませんよΣヽ(`д´;)ノ
バフェットは60年間20%を超えているからすごいのです!!たった一年良かったとしても、バフェットの足元にも及んでいませんからね!!
また、バフェットは運用資金が我々庶民投資家よりも10万倍以上大きいため、株の購入単価が上がってしまい、利回りは下がりやすくなります。
(関連記事:投資信託をやるべきではない7つの理由)
バフェットの利回りを超えていても謙虚に投資と向き合うようにしましょう(笑)
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運用利回り計算方法
株の運用利回り計算にはいくつかありますが、下の3つが有名です。
- ディーツ法
- 修正ディーツ法
- 厳密法
一番簡単なのはディーツ法です。計算を単純にする近似を用いていますから(^^)
そして、下にいくにつれ利回り計算としては正確性が増しますが、計算が面倒になっていきます。
今回は比較的簡単なディーツ法と修正ディーツ法を紹介します。
なぜ厳密法を紹介しないのかというと、面倒だからです。先程も申し上げましたように利回り計算に時間をかけて正確な値を算出してもあまり意味がありません。
計算には私の2016年の投資成績を用いましょう。
計算式の違いも意識すると、理解が深まると思います。
投資成績
私が実際の投資成績はトップページで公開していますが、2016年の投資成績をこの後の計算が楽になるようにまとめると下の表のようになります。
上の表を説明しますと、緑背景は2016年の最初(期初)から保有していたが、2016年の途中で売却した株です。
赤背景は2016年期初から2016年の最後(期末)まで一年中保有していた株です。
灰色背景は期初は保有していなかったが2016年の途中で購入し、2016年期末まで保有していた株です。
これを計算していきますよ~。
ディーツ法
全く株の売買がなかったとしたら、利回り計算って小学生の知識で計算できてしまいますよね?以下のような感じで計算式を作ればいいわけです。
しかし、問題は1年の中で株を買ったり売ったりするから紛らわしくなるんですよね・・
ディーツ法という計算方法では、株の購入や株の売却に必要な合計の金額(キャッシュフロー)は年初から持っていたという前提の元、計算します。
具体的にディーツ法は以下の数式で運用利回りを計算します。
式の値の色と表の枠線の色を対応させています。
例えば期末時価総額は青色になっていますが、その値は表の枠線で囲った青色の部分が関係しています。
当然ですが、分子は利益、分母は投入資金を表しているわけですね。
ディーツ法の計算式に出てくる用語の意味を少し解説しておきましょう。
時価総額とは読んで字のごとく「その時の価格の総額」です。お寿司で時価と言いますが、あれはその時々の仕入れ値によって金額が変わるということですよね。
株の場合、時価は「その時の価格×株数」で計算します。つまり期初時価といったら「期初の株価×株数」となります。
期初時価総額の計算
期初時価総額といったら、「期初に保有していた株の時価総額」です。つまり、表でいうと赤枠で囲った金額の合計となります。計算すると3,295,000円となります。
私は2016年の期初にそれだけの株を保有していたわけですね(^^)
期末時価総額の計算
期初時価総額が分かると期末時価総額は簡単で、「期末に保有していた株の時価総額」です。期末時価総額は表でいうと青枠で囲った金額の合計となります。計算すると4,505,400円となります。
キャッシュフローの計算
一番分かりづらいのはキャッシュフローですね。キャッシュフローは現金の流入ということです。株を売却したときの金額や配当金は現金が入ってくるのでキャッシュフローはプラス、逆に株を購入する際の金額や売買手数料、税金は現金がなくなるのでキャッシュフローはマイナスとなります。
キャッシュフローに関係する部分はピンクの枠で囲った部分です。
①は売却株で現金が入ってきますのでキャッシュフローはプラスです。金額で言うと1,451,500円です。
②は購入株で現金が出ていっているのでキャッシュフローはマイナスです。金額で言うと1,495,300円です。
③は配当金はプラス、税金はマイナス、売買手数料はマイナスとなりますね。形式的に売買手数料は-293円とマイナスを付けています。売買手数料がかかったものとしては、2016年売却株のレオパレス21です。これだけはNISAが開始される前に購入したものなので、売買手数料がかかってしまっています。また、税金がかかる取引も同様にNISAのおかげでレオパレス21の取引だけなのですが、利益が20万円以下だったため非課税です。つまり、③の合計金額は55,223円です。
つまりキャッシュフローの合計は
①-②+③
=1,451,500-1,495,300+55,223
=11,423円
株取引は売買手数料が無料のNISA口座を利用しましょう。株取引に掛かる税金と売買手数料というコストがどちらも無料になります。
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さて、これによりディーツ法での運用利回り計算ができるようになります。
俺バフェットよりすごくね!?
冗談です(笑)
調子に乗らずに謙虚にいきましょう(笑)
ディーツ法を利用すると、このように簡単に大雑把な利回り計算ができるようになるわけです。
ディーツ法はあくまで大雑把な利回り計算となります。
今回の私の2016年の投資成績のように、キャッシュフローが小さい場合はディーツ法でかまわないのですが、大きい場合は修正ディーツ法を使わなくてはいけません。
極端な例を挙げましょう。
太郎さんがもしも期初に100万円のA社の株を持っていて、期末にはA社の株が2倍の200万円に上がったとしましょう。
普通であれば、太郎さんの運用利回りは100%ですね?
しかし、太郎さんは期末の前日に1000万円の資金を投入してB社の株を購入したとします。
1日しか経過していないので、B社の株は当然そこまで株価に変動しません。
今回はまったくB社の株価は変動しなかったと仮定しましょう。
すると、ディーツ法では太郎さんの運用利回りは以下のようになります。
かなり利回りが下がってしまいました。しかし、太郎さんの運用利回りはB社の株を購入する前日までは100%だったのにここまで変わってしまうのはちょっとおかしいですよね?
これはディーツ法の近似に問題があるためです。
ディーツ法では途中で投入した資金を期初から持っていたと仮定しているので、キャッシュの投入が期末に近ければ近いほど、またキャッシュフローが大きければ大きいほど値が運用利回りの本質とづれてしまいます。
そこで、そういう場合に登場するのが修正ディーツ法です。
修正ディーツ法
修正ディーツ法は上述したようなディーツ法の欠点を修正できる計算方法です。
具体的な計算式は以下のようになります。
先程の太郎さんの話では何が悪かったのかというと、投入したキャッシュ(1,000万円)が期末前日から期末までの1日しか活用されていないのに、ディーツ法では365日活用されたと計算されたことです。
修正ディーツ法では1,000万円のキャッシュは1年(365日)の中で1日しか活用されなかったとして計算します。
つまり太郎さんの場合の運用利回りは修正ディーツ法では以下のように計算するのです。
これで太郎さんの運用利回りは正しい数値になりました(^^)
さて、では実際の私の2016年の運用利回りを修正ディーツ法で計算してみましょう。
分かっていない数値は期間内平均キャッシュフローですね。
私期間内平均キャッシュフローを計算していきます。
まず売却株に注目します。
売却株の期間平均キャッシュは-686,364円です。
また、購入株では・・
期間内平均キャッシュは884,485円です。
さらに、税金や配当金のキャッシュは55,223円です。(本当はこちらも期間平均を出すのが正しいやり方ですが、小さい値なので無視します)
よって、期間内平均キャッシュフローは
884,485-686,364+55,223=253,344円
この数値を修正ディーツ法計算式に当てはめて計算しましょう。
こんな感じで、普通はディーツ法と修正ディーツ法ではそこまで運用利回りが変わりません。
正式に計算する必要がないのであれば、ディーツ法で簡単に算出するといいでしょう。
皆さんも気が向いたら計算してみてください。
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