信用倍率を見ると近い将来の株価の推移が予想できる?
今回は信用倍率について説明したいと思います。
まずはじめに断っておきますが、私は信用取引というものは投機に近いと考えていますので行っておりません。
(関連記事:株で失敗すると多額の借金が残る?)
レバレッジを掛けるという性質上、どうしても長い目で企業の成長を見守ることができなくなります。
また、証券会社へ払う金利手数料や売買手数料などが長期投資よりも大きくなってしまうので負ける可能性が高くなります。
(関連記事:信用取引をやるべきでない4つの理由)
しかし、信用取引に関する指標である信用倍率は投資の上で参考になるので確認します。
PERやROEといった指標と比較してそこまで重要な指標というわけではないので、あまり信用倍率に縛られる必要はないとは思いますが、信用倍率を参考にしながら投資をすると、株を購入した後の下落率が低くなるので精神衛生上は良いかもしれません笑
ちなみに信用取引について分からない方は、下記を参考下さい。
(関連記事:信用取引とその特徴)
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信用倍率とは?
信用取引には信用売り(空売り)と信用買いがあります。
信用倍率とは、信用売りをしている人が多いのか、信用買いをしている人が多いのかを確認できる指標です。
具体的に、信用倍率の式は以下のようになります。
信用残(買)は信用買いをしている株数の残高です。
信用残(買)が10,000,000とあったら、1000万株信用買いをされている銘柄ということになります。
信用残(売)は信用残(買)の逆であり、信用売りをしている株数の残高です。
つまり、信用倍率は上記式を見れば分かりますが、信用買いをしている人が信用売りをしている人と比較してどのくらいの倍率でいるのかということを表した指標となっています。
信用倍率が2倍でしたら、信用買いの株の総数が信用売りをしている株の総数より2倍多いということになります。
では、そういった情報からどういったことが読み取れるのでしょうか?
信用倍率が大きいと近い将来に株価が下がりやすい
この信用倍率という指標はどのように考えればいいのでしょうか?
それには、今一度信用取引の特徴を思い出す必要があります。
今思い出していただきたい信用取引の特徴は、信用取引とその特徴でも記載していますが、信用取引は6ヶ月以内に取引を完了しなければいけないということです。
もしも信用買いをしたら、6ヶ月以内に買った株を売らなくてはいけないという制約があるのです。
つまり1000万株の信用残(買)があったとしたら、その1000万株は6ヶ月以内に売られるということです。
信用残(売)で考える場合はもちろん信用残(買)の逆になります。
よって、信用倍率が大きい(信用残(買)が信用残(売)より大きい)ということは6ヶ月以内に株が売られる圧力が大きくなるということです。ということは、6ヶ月以内に株価が下落する可能性があります。
信用倍率が小さい(信用残(買)が信用残(売)より小さい)ということは、逆に6ヶ月以内に株が買われる圧力が大きくなるということです。ということは、6ヶ月以内に株価が上昇する可能性があります。
あくまで可能性という言い方をしています。別に1000万株の信用残(買)があったとしても、1000万株が同じ日に売られるわけではないのですからね。
信用残と日々の出来高を比較しよう
あと、信用倍率というものを全く無視していい場合があります。
一日の出来高(売買された株数)と比較して、信用残が同等レベルの時です。
例えば、最近のセブン&アイ・HLDGSを見てみましょう。
2017/02/24の出来高は2,946,400株でした。
大体どの日も300万株位の取引ですね。
それに対し、信用倍率をみると7.27倍と高く、将来売りの圧力が高いといえますが信用残(買)は約70万株で一日の出来高よりもかなり低いです。
つまり、信用残は一日の出来高よりもかなり低いので無視しても大丈夫だと言えます。
もう一方でDeNAを見てみましょう。
2017/02/24の出来高は1,643,700株でした。
少ないときが150万株くらいの出来高で、多いときは1500万株程度の出来高になってますね。
信用倍率をみると16.64倍と高く、将来売りの圧力が高いといえます。信用残(買)は約680万株で02/24の164万株よりもかなり大きいです。
ということはDeNAの場合、信用倍率が株価に与える影響は大きいので株の売買をする際、一考の余地がありますね。
少なくとも、セブン&アイ・HLDGSよりはDeNAの方が信用倍率が株価へ与える影響が大きいと言えます。
効果的な信用倍率の指標の使い方
信用倍率の指標はどのように使うと効果的かといいますと、あなたが安値だと思っている企業の株があったとした時に信用倍率を見てあげて下さい。
その時に信用倍率が低かったとしたら、6ヶ月以内に株を買い戻す人が多くいるということなので株を購入するチャンスかもしれません。
もちろん、日々の取引高より信用残が多ければ多いほどその影響は大きくなるので、もし何かポジティブな話題があった場合はそれだけ急騰率が高くなります。
とはいっても、信用倍率が低いということは周りの投資家はその株を高値だと思っているから信用倍率が低いわけなのでそのことを忘れてはいけません。
あなたが安値だと思っている株を市場は高値だと思っているわけです。
なんか考えれば考えるほど堂々巡りしてしまいますよね笑
参考までに私の場合を話します。
PERやROEといった指標を参考にして、安値だと思った株の信用倍率が低かったらラッキーと思っています。他の指標の方が参考になるからです。
さらに言えば、安値だと判断した株の信用倍率が高かったところであまり気にしません。確かに急騰率を妨げる要因にはなるのですが、安値で株を買ったのですから問題ありません。
もう一度DeNAの取引を見てみましょう。
見づらいかもしれませんが、1500万株くらいの出来高があった日が3日間程度あります。
その騰落率絶対値をざっくり計算してみたところ株価は4~5%程度でした。
つまり、1500万株の出来高があったところで株価へ与える影響はその程度です。
(それを大きいという人もいるでしょうけど笑)
信用倍率は、確かに直近の将来の株価の推移に影響は与えるかもしれませんが、長い目で見ると株へ与える影響は結構限定的です。
信用倍率はその程度の参考の指標なのです。
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