企業の安全性を自己資本比率で確認しよう
長期投資をする上で、企業が安全な経営をしているのかということに着目するのは非常に重要です。
基本的に長期投資では成長する見込みがある企業に投資をしていくわけですが、いくら成長しそうな企業でも安全な経営をしていない企業に投資をしてしまうと、イケイケなときはいいですが、何かのはずみにリーマンショックのような金融危機が起きてしまった場合に資金繰りが上手くいかず、最悪倒産してしまう可能性があります。
倒産してしまったら最後。あなたが購入していた株は紙切れになる可能性があります。
ただ、「すべてが0になる可能性があるなら長期投資は怖くてできない。短期投資の方がまだマシだ!」なんて思ってはいけません。
基本的に長期投資はプラスサムゲームで短期投資はゼロサムゲームです。証券会社に取られる手数料を考えたら短期投資はマイナスサムゲームですらあります。
(関連記事:長期投資で発生するコスト)
短期投資はマイナスサムゲームなので、圧倒的勝者が数人いる一方、その勝者に食い物にされている敗者がたくさんいます。
宝くじと同じですよね。宝くじも還元率が半分もないのでマイナスサムゲームです。
(関連記事:長期株式投資をギャンブルと思っている人は株式会社で働くな!)
しかし、長期投資はプラスサムゲームなのでプレイヤー(投資家)全員が勝利するという可能性すらあります。
ただ、勝つためには正しい知識を身につけて、博打的な投資はせず安全な投資を積み重ねていく必要があります。
では、安全な投資とはどのようにすればいいのでしょうか?
あくまで投資はリスクを孕むものなので、これを守れば絶対に安全というやり方は存在しません。
投資はリスクがあるなんていうと、お金の知識がないお馬鹿さんは「リスクがあるなら投資なんかやらずに堅実な銀行預金だけでいい」なんていう考え方をしますが、過去50年ほどを考えると預金よりも株のほうが安全な資産だったので、預金のみというのもリスクであることは認識しておきましょう。
(関連記事:あなたの預金はどんどん減っている?)
投資はリスクがあるものですが、、リスクを減らす投資方法はあります。
リスクを減らす投資の1つが株の分析に用いられる指標の知識をつけて、安全性の高い企業に投資をするというものです。
今回は投資のリスクを減らすために、自己資本比率に注目するということを覚えましょう!
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企業の安全性を測る指標 自己資本比率
自己資本比率は会社の安全性をみることができる指標です。
安全性というのは、会社が倒産のしやすさと考えてもいいでしょう。
資産の種類のところで貸借対照表が出てきましたね。
自己資本比率は、全ての資産(総資本)の内、自己資本(≒純資産)が占める比率です。
つまり、以下のような計算式になります。
※厳密には自己資本と純資産は異なります。
(関連記事:純資産=株主資本ではない?)
何故この計算式で企業の安全性を測ることができるのでしょうか?
自己資本比率が安全の指標であるということを、イメージ湧きやすいように企業ではなく結婚相手で例え話を作ってみました。
自己資本比率を結婚相手に例えて考える
あなたが結婚するならAさん、Bさん、Cさんのどの方ですか?
Aさん、Bさん、Cさんはそれぞれお給料は同程度もらっているとします。
3人の貸借対照表のポイントは以下のような部分です。
- AさんとBさんは、Cさんよりも資産は多い
- AさんとBさんは負債がある
- Cさんは純資産のみ
この貸借対照表だけで想像すると、Aさんは大きい家を、Bさんは小さい家をローンで購入したのかもしれませんね。
資産にはブランド物も家や土地、負債(借金やローン)も含まれますからね。
(関連記事:資産の種類)
AさんとBさんは資産を同じくらい持っていますが純資産の大きさ(負債の大きさ)が異なります。
Aさんは借金による資産が多いので、純資産が少なく負債が多いです。一方BさんはAさんよりも純資産が多く負債が少なくなります。
さて、まずは分かりやすい問題として、結婚相手として選ぶのであればAさんとBさんはどちらがいいでしょうか?
普通であればBさんを選ぶはずです。
確かにAさんは大きい家を持っていて普段の生活は窮屈な思いをしなくて済むかもしれませんが、身の丈にあっていない投資をしてしまっています。
これでは、万が一仕事を失ったり病気になったりした場合に、すぐローン返済などの資金繰りが上手くいかず、せっかく買った家を手放してしまうことになるかもしれません。
つまり、AさんはBさんよりも安全性が低いということになります。
考えてみれば当たり前の話で、図から判断するとAさんは負債を純資産の8倍くらい抱えていますね?
ということは、100万円しかない人が800万円の借金をすることで生活が成り立っているということができます。
中々危険なことをしていますよね(笑)
こういった資産のバランスを考えることができる指標が自己資本比率なのです。
自己資本比率は純資産と負債のバランスを考えた指標なわけですね。
Aさんの場合の自己資本比率をざっくり計算すると以下のようになります。
純資産(1)÷負債(1+8)×100=11.1%
一方、Bさんの自己資本比率は以下のようになります(純資産:負債=6:4程度で計算)。
純資産(6)÷負債(6+4)×100=60%
もちろん、AさんよりBさんの方が結婚相手として優れているように、自己資本比率は高い方がいいです。
※くどいかもしれませんが、自己資本比率というくらいなので、本当は純資産ではなく自己資本から計算します。
また、BさんとCさんはどうでしょうか?
Bさんは自己資本比率が60%で、Cさんは自己資本比率100%ですね。
先程は自己資本比率は高い方がいいということを言いました。
つまり、その言葉通りであればBさんよりCさんの方が優れていると言えます。
しかし、BさんとCさんの場合は一概にそうとは言い切れません。
正直なところBさんとCさんの良し悪しの判断は難しいです。
何故ならば、Cさんは無駄に貯金ばかりして純資産を使い道なく溜め込んでいるという見方もできるからです。
金持ちなのにケチといってもいいかもしれませんね(笑)
つまりはCさんはお金を有効に使う手段がないのです。
BさんはCさんと比べたら、安全とは言えないかもしれません。
なにせ負債を抱えているわけですからね。
しかし、家を購入しているということは、月々に払う家賃を先に払っているということで先行投資とも言えます。
家を現金で買おうと思っても、ほとんどの一般人にとっては不可能です。現金で購入しようとすると50歳位までお金を貯めることになってしまいますからね。
家を買うまでお金が貯まるのを待つというのも、勿体ない話です。
どうせ買うなら、30代くらいに一戸建ての夢のマイホームが欲しいじゃないですか!笑
純資産や収入とのバランスを考え、必要とあらば負債は積極的にするべきものなのです。
企業の自己資本比率を考える
さて、上記のようなことを踏まえて企業を見る際の自己資本比率について考えてみましょう。
安全な投資をするには、Aさんのような財務諸表はあまり好ましくありません。
負債が多いとやはり何かあったときが怖いですからね。
実際にリーマンショックが起きたときは、事業としてどうしても自己資本比率が低くなってしまう不動産関係の会社が多く倒産しました。
借金が多いAさんみたいな企業は、安全性が低いので投資知識が少ない初心者の方は、投資対象としてはやめておいた方が無難でしょう。
見方によってはAさんのような企業の中にも注目するべき企業があります。
例えば私は自己資本比率が12.43%(2016年)と低い神戸物産(業務スーパー)に投資しています。また、ソフトバンクも自己資本比率が低いことで有名ですが、かなりの優良企業として知られてます。
【関連記事】
また、まったく借金がないCさんのような企業は、折角の事業拡大のチャンスを逃している企業かもしれません。
(ダメなわけではないです。必要のないお金は借りない方がいいです)
企業としてはBさんくらいがバランスがいいですね。
実際、どのくらい自己資本比率があればいいのかというと40%くらいあれば、倒産の危機はかなり少ないとみていいでしょう。
別に自己資本比率は高ければ高ければよいというわけではなく、倒産の危険性がないくらいあればいいのです(私は30%程度でも問題ないと思っています)。
自己資本比率は参考値としてその程度がいいということを頭に入れて、優良株を探すようにしましょう(^^)
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