純資産=株主資本ではない?
負債の種類(流動負債と固定負債))では、資本は大別すると2種類になると、説明しました。
それは、貸借対照表でもよく見る負債と純資産です。
今回は、純資産についてを説明します。
よく、純資産や株主資本、自己資本を同じように考えるということをしてしまいがちなので、ここでしっかりと理解するようにしましょう(^○^)
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純資産は4つに大別される
純資産は大きく4つに大別されます。
- 株主資本
- その他の包括利益累計額(評価換算差額等)
- 新株予約権
- 非支配株主持分
どんな感じで表されるのか、2016年のカカクコム有価証券報告書の貸借対照表の純資産の部分を実際に見てみましょう。
それぞれを軽く説明します。
純資産1:株主資本
株主資本は、株主に帰属する財産です。
株主資本は、株主が自身の資金を払い込んだ払込資本と、会社が稼いだ留保利益の2つからなります。
払込資本=資本金+資本剰余金
留保利益=利益剰余金
純資産2:その他の包括利益累計額(評価換算差額等)
その他の包括利益累計額(評価換算差額等)は持っている株や土地、為替等のお金を決算の時に再評価し、その差額等を計算したものとなります。
土地に関しては上の掲載したカカクコムの有価証券報告書にはありませんね。
私は、評価換算差額等の方が言葉が分かりやすいので好きです笑
この評価換算差額等も実質的には株主のお金になります。
しかし、株主資本と分けて考え、株主資本と評価換算差額等を合わせた資本を自己資本といいます。
純資産3:新株予約権
将来、会社の役員等に与えられる、新株予約権の分の資本です。
感覚としては、負債な気がしますが、株なので形式的(?)に純資産となっています。
純資産4:非支配株主持分
子会社等の、親会社に帰属しない分の資本となります。
子会社の資本勘定が1000万円あるとして、60%の株を親会社が持っていた場合、親会社が支配できていない(親会社に帰属しない)部分は40%です。
なので、非支配株主持分は400万円になります。
純資産と株主資本と自己資本の違い
ここまで説明すれば、ある程度分かったかもしれませんが、純資産と株主資本と自己資本の違いについて整理しましょう。
そもそも、昔(旧会計基準:20006年以前)はこれら3つの用語は同じ意味で使用していた。
それが、新しい会計制度になり、これらには明確な違いがある用語と決められたのです。
- 純資産=(総資本-負債=)株主資本+評価換算差額等+新株予約権+非支配株主持分
- 自己資本=株主資本+評価・換算差額等
上記のような関係ですので、それぞれを大きい順に並べると、
純資産>自己資本>株主資本
というような関係になります。
ちなみに、上の図では、株主資本、評価・換算差額等、新株予約権+非支配株主持分が3等分みたいな感じで表されていますが、それは文字数の関係で3等分になってしまっただけです笑
実際には、株主資本が純資産に占める割合はもっと大きいはずです、普通の企業なら。
もっと言えば、評価・換算差額等はマイナスになることも有りますし、新株予約権はそんなに大きかったら困ります。
さいごに
いかがだったでしょう?
純資産や自己資本、株主資本の違いを理解できましたでしょうか?
用語をしっかり使い分けると、専門書等を読むときも理解が早いので正確に覚えたいですよね(^^)
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