「全員参画の最強理念経営(河越 誠剛)」を読んだ所感~寿スピリッツグループの体質~
私が投資している企業の一つに寿スピリッツがあるのですが、寿スピリッツの河越誠剛(かわごえせいごう)社長は書籍を書いています。
それが、全員参画の最強理念経営です。
前回は、この本を読んだ際に感じた経営者の資質について言及しました。
(関連記事:「全員参画の最強理念経営(河越 誠剛)」を読んだ所感~経営者の資質~)
今回は、寿スピリッツグループの体質についての所感を述べたいと思います。
結論だけ言うと、こちらもすごい好感が持ててます笑
投資先だから評価甘くしちゃってるのかなぁ~笑
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寿スピリッツは社員一体となる為、全員を洗脳している(宗教的)
寿スピリッツグループの考え方として、社員全員の力を引き出すように経営をするというものがあります。
そうするにはどうすればいいかと考えた末、河越社長は社内で考え方を統一しようと経営理念手帳「こづち」を作りました。
こちらには、経営理念はもちろんのことお客様に対する姿勢や判断の基準といったものまで細かく書かれているようです。
もはや「こづち」は寿スピリッツの経典といえるものだと思います。
キリスト教でいう聖書のようなものです。
この「こづち」を毎朝社員は読むみたいですね。
そうすることで、社長の考え方や経営に対する考え方を嫌でも理解するようになるので、日々の行動もただなんとなくこなすだけではなく、経費削減だったり効率化だったり魅力的な商品といったものを常に考えながら行動するようになります。
(寿スピリッツグループでは「考えて行動すること」を「考動」と呼んでます笑)
ほんと、宗教的ですよね笑
社員を良い意味で洗脳しています。
日本人は無宗教なので、こういった考え方にあまりいいイメージを抱かない人が多いかもしれませんが、私は宗教好きなんですよね。
一度キリスト教に入信しようかどうかと悩んだことがあります。
(入信しませんでしたが笑)
宗教のいい点が私は2つあると思っています。
宗教のいい点1:悩む時間が短縮される
まず一点は迷ったり悩んだりする時間が短縮されるということです。
これを実感してもらう為に一つちょっと質問があります。
あなたには男の友人がいます。
ある日、その友人は奥さんがとある男に犯されてしまい、思い悩んだ末に自害してしまったと聞きました。
友人はその犯罪者を憎み、報復したいとあなたに相談してきました。
友人は自分が犯罪者になっても構わないというのです。
では質問です。あなたはどんなアドバイスをしますか?
これって、結構悩みませんか?
もちろん道徳的には許されることではありません。
しかし、最愛の妻を失った悲しみを考えると友人の気持ちも分かります。
もし犯罪者に反省の色がないとしたら、なおさらでしょう。
日本でも似たような事件はたくさんあり、被害者の気持ちになると居た堪れないことが多々あります。
これは、どれだけ悩んでも答えの出ないものですよね。
しかし、宗教を信仰しているとある程度早い解決ができると私は思っています。
どうすればいいのかを神様が教えてくれているからです。
もしキリスト教を信仰していたら、キリスト教では「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」という教えがあるので絶対にやり返してはいけないと即座に判断が下せるのです。
被害者の気持ちを思うと・・とかではありません。
神様がそうしろといっているのですから、それに逆らってはいけません。
宗教とは、人生に於いて無駄に悩む時間を減らす効果があるんじゃないかと私は思っています。
宗教はそんな指針になります。
宗教というと、少し聞こえが悪いですが経営者の考え方を全員が理解していると無駄な時間を省くことができることは、どの会社に於いてもたくさんあると思います。
例えば、日本では何をやるにしてもとりあえず上司に確認します。お客様と話しているときに、「ちょっと上司に確認してみます」なんていうことは多々ありますよね。
あれってすごい無駄な時間じゃないですか?もし自分で判断していいんだったら、お客様を待たせることもないですし上司の時間をとらせることもありません。
もしみんなが経営者としての考え方を持っていたら、上司に確認する必要なんてないじゃないですか。
まぁ、そこまで簡単にはいかないかもしれませんが、全員が経営者の考え方を宗教的に理解しているのでしたら、悩む時間というのを大幅に減らして効率アップすると私は思うわけです。
宗教のいい点2:一体感が生まれる
宗教がいいと思う理由のもう一点は、一体感が生まれるということですね。
周りからは滑稽に見えるかもしれませんが、やっている側からするとかなりの力を引き出すことができるんですよね。
こんな若造に何が分かるんだと言われるかもしれませんが、私の大学の部活は特別強かったわけではないんですが、七帝柔道という宗教的な部活でした。
見学者が、「こんなの宗教じゃん・・」って言って逃げて行ったのはまさに言い得て妙だなと思いました笑
この七帝柔道の話は、マンガや書籍でもあったりするので興味があれば見てみて下さい。
(興味ないと思いますが笑)
七帝柔道を経験した作者の自伝的物語。何の為にこんなことをやるのかという葛藤のもと、七帝柔道の世界が書かれています。
上記した七帝柔道記のマンガ。柔道をやったことない人は活字で技名とか言われてもイメージが湧かないと思うので、こちらの方が分かりやすくてオススメです。
七帝柔道者の経典です笑。七帝柔道を経験していない人は、恐らく全く印象に残らないであろう川根のエピソードが私は好きです。
私は、こういった世界を過ごしたことで、一人の人間にできることは限られているということ知っています。
そして、チーム一体になると普段以上の力が出ることも知っています。
人間はバカな生き物だから、こういうことって経験しないと分からないんですよね。言葉の上では理解できても、経験しないとどうしても理解できない部分があるのです。
私は、宗教的に考え方を統一するというのは個人の力を引き出す有効な手段であることを経験で知っています。
そして、そういった宗教的な社員教育をしている寿スピリッツはやはり長く続く会社なんじゃないかと思いますね。
一人の熱烈なファンをつくる
「こづち」にも書いてある内容らしいのですが、寿スピリッツは一人の熱烈なファンをつくるという考え方があります。
これも非効率的なようでいて、実は効率的なんですよね。
ファンというのはお金を払う必要のない営業マンになりますから。
営業マンを雇うとなると、お給料やら社会保険やらで少なくとも年間600~700万以上の経費がかかります。ファンという営業マンにはそれを払う必要がありません。
お給料を払わないのに、商品を友人に勧めてくれて、自分でも商品を購入してくれる。こんな都合のいい人はいないですよね。
だから、熱烈なファンをつくるような行動は積極的に行うべきなのです。
これに関して、本の中には面白いエピソードが二つほど書かれていました。
一つ目は、ルタオのお店を北海道に建てようとした時の話です。
寿製菓(寿スピリッツの前身会社)は、北海道ではさほど有名じゃなかった為、小樽の土地でルタオを建てたいといっても地権者から信用がなく、交渉が難航したようです。
そこで、地権者は寿製菓がどんな会社なのか確かめる為、北海道の地から、米子の本社に電話したようです。
地権者「いま、米子駅にいます。そちらに伺いたいのですが、どうやって行ったら良いですか?」
受付「私がお迎えに上がります。駅で少々お待ちいただけますか?」
この対応に感動し、地権者はルタオを建てることにOKを出したといいます。
別に、受付にこういう対応をしろと打ち合わせていたわけではないのに、受付はこういった丁寧な対応をしたわけです。
これは熱烈なファンをつくるという意識が、従業員に浸透している良い証拠ですよね。
他にもこんなエピソードがあります。
ある空港で1500円のお土産を買ったのに、1000円のお土産が入っていたという苦情が入ったそうです。
その時に、店員はどのように対応したのかというと、わざわざ航空券をとって直接1500円のお土産を持って謝罪に向かったようです。
航空券だけで往復6万円です。なかなかの出費ですよ。
買ったお客さまもここまでされると逆に恐縮してしまいますよね笑
しかし、そうやって着実にファンをつくっているわけですよね。
こういう丁寧な取り組みは、巡り巡って会社に返ってきます。
是非ともそういう会社でいて欲しいです。
さいごに
ほんとはまだまだ語り足りないのですが、この程度にしておきます笑
次回は、寿スピリッツの懸念点について書こうと思っています。
寿スピリッツの株を売るとしたら、業績どうのこうのではなく、その懸念点が目立ち始めたタイミングかなと私は思っています。
読んで下さり、ありがとうございました。
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