【ICTフォーラム2017】AIの未来(前編)
読売ICTフォーラム2017という講演会のチケットが当たりました!そういうわけで、3/9にルンルンで聞きに行きました。なぜルンルンか?なんと、将棋3冠の羽生さんが講演して下さるんです!!
私事ですが、子供の頃は将棋でよく遊んだので、羽生さんって私のスーパースターなんですよね(^○^)
今回は、ただ羽生さんと会えるのが嬉しくて軽い気持ちで行ったのですが、講演が終わった後に激しく後悔しました。
なんでもっと下調べしなかったんだろう・・
読売ICTフォーラム2017では、パネルディスカッションにAI(人工知能)を先進的にビジネスに利用している方々が参加していたので、とても面白い内容だったのです。
浮かれてないで、調べてから行くべきだった~(´Д⊂
講演で話されていたのは、ICT技術(ICT:Information and Communication Technology=ほぼITと同じ意味)について。特にICTの中でもAI(人工知能)についてが多かったです。
とりあえず、今回はNTT社長と羽生さんの基調講演の内容と感想を記事にしました。
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ICTフォーラム2017の内容
鵜浦博夫NTT代表取締役社長
まずは、鵜浦博夫NTT代表取締役社長の「ICTによる新たな価値創造」というお話でした。
つまりはNTTはICT技術を使ってどのような新しい挑戦を現在しているのかといったお話です。
超歌舞伎 歌舞伎と初音ミク(ICT技術)という異例のコラボ
まずは、ニコニコ動画で有名なドワンゴとNTTの技術、そして歌舞伎という日本の伝統芸能を組み合わせた超歌舞伎を2016年4月に公開していたみたいですね。
気持ち悪いとか言われていた初音ミクがついに歌舞伎という日本古来の芸能と組み合わさったことには感慨深いものがありますよね。
現代というのは娯楽が本当に多岐に渡っているため、伝統というものの上にあぐらをかいて座っていては歌舞伎という古来からの芸能とはいえ生き残っていくのは難しいでしょう。私も歌舞伎は一度も見たことがありませんし、残念ながら見たいと思ったこともありません。歌舞伎のどこに魅力があるのかとか知らないですし。
しかし、初音ミクとのコラボレーションとなると俄然興味が湧きます。私からしたら、初音ミクの文化の方がよっぽど馴染み深いです。
例え、伝統的な芸能である歌舞伎だとしても必要とあればそういった最新の文化と組み合わせ進化していく。そういった姿勢はこの激動の時代に必要なことなんでしょうね。
スポーツ×ICT 新しい戦略や楽しみ方の創造
ICTとスポーツの融合の話もしておりました。
まずは自転車競技とICTの融合を例にすると、選手にICTチップをつけて脈拍やペースが分かるようにするという取り組みをすると戦略や選手へのオペレーションがガラっと変わってきます。
脈拍は選手の調子の良さを伝えますし、GPSによるほかの選手との位置関係を把握していると、どこでアタックをかけるのか?どれくらいのペースで漕げばいいのかといったことが分かります。
データが膨大にある分、オペレートする監督やデータ分析して指示を出す選手の力量もかなり重要となってきます。
また、トレーニングにおいてもICTを取り入れることにより普段の状況(体調)把握はもちろん、どのくらいの負荷をかけると効率的に成長できるのかといったことがわかります。
私は、トレーニングにICTを活用するということは賛成ですが、既存のスポーツにわざわざICTを活用してルールを変えていくという必要はないんじゃないかと思いますね。
どんどんお金がかかるスポーツになってしまい、トップ選手はスポンサーがついてなんとかなるのかもしれませんが、お金のない高校生や大学生といった既存の選手がお金を理由に辞めてしまうということもありえます。せっかくの競技人口が少なくなってしまいます。
格差も生まれやすいですしね。お金をかけたチームや学校が優勝しやすいなんて面白いスポーツとは言えません。
だったら、ICTを利用した新しいスポーツを創造したほうがよっぽど建設的な気がします。
なんていう名前か忘れちゃったんでURL貼れないんですけど、バーチャル映像でシャボン玉みたいな玉が出現して、それをたくさん割ったほうが勝ちみたいな新しいスポーツができたというのを以前見ました笑
そういったものを創造して、普及していくという方が私はいいと思いますね。
あ、あとスマートスタジアムなんて話もありました。
NTTグループによる「スマートスタジアム」サービス 第一弾はこちら
スタジアムにICT技術を導入することで、スポーツ観戦に楽しみ方の幅が広がるということです。
例えば、スタジアムいる人だけ入れるようなサイトを用意して、好きな選手だけを追いかけた映像を楽しむことができたり、感動したシーンや見過ごしたシーンをもう一度再生するといったことが可能になります。
また、VR(Virtual Reality:仮想現実世界)技術を使えばゴールキーパーの視点でサッカーを楽しむなんてことも可能になります。
これは面白いと思いました!
私はスポーツをするのは好きですが、見るのはあまり好きではありません。付き合いでプロ野球観戦をしたこともありますが、何が面白いのか分かりませんでした笑
スポーツ観戦って、選手の経歴やプロファイルデータ、スポーツの緊張どころ、選手が何を考えて行動したかとか深いバックデータがないと面白くないんですよね。もしくは、この選手がかっこいいやカワイイとかで単純に選手のファンになるかといった方法も面白いと思う重要な手段かな笑
しかし、スポーツ観戦にICTを取り入れ、新しい楽しみ方ができるとまるで自分がスポーツをやっているかのような新しい楽しみ方ができるので、今までファンじゃなかった層を取り込める可能性があります。
今後が楽しみな分野だと思いました。
とりあえず、NTT社長の話はこんなところです。
あと、NTTのビジネスモデルB2B2Xという話やビックデータは企業のものだけにしないでみんなで共有する社会にしたいですよね!っていう話もしてましたが、特に面白いビジネスモデルとは思わなかったし、ビックデータに関しては倫理の問題なのでこちらは省略します。
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将棋3冠 羽生善治
羽生さんは、「人間とAIの共通点や相違点、得意不得意」といった視点でお話をして下さりました。
人工知能の研究にも協力する羽生さんが、何を語るのか非常に楽しみでした。
羽生さんは、将棋を例に人間が考えるプロセスの説明をしてくださり、ではAIはどうなのかということを考え、最後の結論「人間はAIに対しどうするべきなのか」ということを話してくださいました。
棋士の手を読むプロセスというのは、
直感→読み→大局観
だというのです。
直感
将棋の打つ手というのは、膨大な数ある。そんなものを一つ一つ検証していくことは人間には到底不可能である。そこでどうするかというと直感を使って最初の1手を2~3個の打ち方に絞るという作業をする。それが直感というプロセスです。
将棋は交互に手番が回ってくるゲームです。自分がこう打ったら相手がこう打って、そしたら自分は・・と延々と考えていきます。棋士はそれを十手先とかでも読めるんですから驚きです。
例えば、最初の手を2つの打ち方に絞って、次の打ち方も2つに絞って・・・とそれを十手先まで(10回)繰り返すと2の10乗通り、つまり1024通りも読めることになります。恐ろしいですよね。
人間はこの直感をどのように使っているのかというと、過去の経験です。今まで自分が戦ってきた将棋、見てきた棋譜(どのように将棋を指したかという記録)で似たような状況を思い出し、この辺にこの駒を指すのがいいだろうと決めます。
一方、コンピューターもある程度この直感というものが備わっているようです。
評価関数といってそれぞれの手がいいか悪いかを測る数値があり、膨大な過去の棋譜から良さそうな手を評価関数によって手を選択しているみたいです。
いくらコンピューターといえど、すべての手を計算するなんてことはやはり処理量が多すぎて難しいようですよ。
人間の読み
直感によって決めたものの先を読んでいきます。ここは人間にとって難しいプロセスです。なぜならば、相手の手番の時は相手の気持ちになって考え自分に不利な手を指さなくてはならないからです。
将棋には三手の読みという基本の考えがあります。自分→相手→自分と三手指す中で、一番重要なのは二手目の相手がどう指すかということであり、それを自分勝手に指すのではなく自分が嫌なところにさせるようになるとポカが少なくなるというものです。
コンピューターは、これは得意そうですよね。気持ちがないからいつでも客観的な目線で見ることができます。
しかし、先ほどの評価関数というものも正しく局面を評価できているのかというと、そうではないようです。
状況を先延ばしにするような一手を打っただけなのに、AIはそれを理解できないことが多々あるらしく、評価関数が大きく変わってしまうということがあるようです。
そう考えると、人間もコンピューターも正しく局面を読むというのは難しいのかもしれません。
大局観
大局観とは、今までの流れや局面といったものから有利なのか不利なのかを判断することです。
人間は物事を連続性で捉えます。
日常生活で例えると、カレーを作ろうと思ってスーパーに行く→じゃがいもとお肉と人参と玉ねぎを買う→カレーを作るというというプロセスを考えます。
人間はこのプロセスを当然のように行います。カレーを作ろうと思って買い物に行ったんだから、当然買う食材もカレーに必要な素材であり、それを購入したら当然カレーを作るものという、こーしたらこーするよねという連続性のもと考えてしまうのです。
しかし、AIは違います。カレーを作ろうと思って買い物に行っても、スーパーの食材を見てカレーを作ることが最適なことなのか考えます。たとえカレーの食材を買ったとしても、今晩カレーを作ることが最適なのか考えます。もしかしたら、急遽肉野菜炒めになるかもしれませんし、外食するかもしれません。
このように、AIは不連続的にその場その場で最適解をみつけようとします。
人間のいわば当然と思う一手はAIからしたら当然ではないのです。つまり、盲点なんですよね。ここには大きく違いがあると感じられます。
人間はAIの発展に対し、どうするべきか
上記のような将棋の例を見てみると、人間でもAIから学ぶことが出来ることは、大局観の話ですよね。
今まで当然だと思っていた常識はAIの前では通じません。AIはその時々で最適解を見つけようとするんですから。
羽生さんも、AIに触れることで考え方が変わったと言っていました。
そして最後に一番印象的だった、羽生さんの締めくくりの「AIの発展に対し、人間はどうするべきか」に対する解答です。
AIの考えているプロセスはブラックボックスとなっており分からない。重要なのは、人間の解釈でそれを理解し、人間の能力をどう発展させるか
おおー、と思いました。
AIというと、人間の仕事が奪われるのではないかとかそういったことを気にする人が多いですが、そんな次元の話ではないんです。
AIという便利なものが出来たということは非常に喜ばしいことじゃないですか。別にAIに怯えたりしないでそんないいものができたのだったら、使い方や扱いを考えて、自分(人間)の能力を伸ばしていこうというメッセージにも聞こえました。
先ほどの「直感→読み→大局観」という棋士の考えるプロセスというのも、もしかしたら羽生さんがAIについて考えている中で「じゃあ、そもそも人間とAIは何が違うんだ」と考えた末に生まれたのかもしれません。
そうやってAIと自分(人間)を対比させることで、自分の分析ができ、その結果「人間は連続的に物事を考えてしまうが、AIはその時々で最適解を探す。そっちの方が理にかなっている。今までの常識的な一手というのはすべて考え直さなくては・・」なんて羽生さんが自省したと考えてたとしたら面白くないですか!?
もしかしたら、だからこそ羽生マジックなんて言われる、みんなが思いもしない一手がどんどん生まれているのかもしれません(笑)
羽生さんがすごいのはAIと触れ合う前からでしょうけど(ボソッ)
ちょっと今回は長くなったので、これで終わります。
次回は、実は羽生さんの話より収穫を得た、現在のAIのビジネスの話を聞いた感想だったりを記事にします!
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