ROE~株主利益の指標~

ROE~株主利益の指標~

ROE~株主利益の指標~

株を買う際、その株が優良株なのかどうかということを判断しなくてはいけません
例えば仮想通貨のような商品の場合、価格の割安や割高の判断基準がなくて(まったくないのも困るので、仮想通貨は一応時価総額を判断基準にしている人が多いですね)投資タイミングが非常に難しいのですが、株式は企業価値というものを判断するための数値がたくさんあるため、それを使わない手はありません。
(関連記事:長期投資家の私が仮想通貨投資をやらない5つの理由)

 

さて、そんな企業価値を測る数値(指標)として特に重要視される指標が2つあります。
それがPERROEです。

 

PERは企業の株が割高なのか割安なのかを測る指標です。株に限らず、何か商品を購入するときは割安なときに購入するというのが賢い人間の選択です。PERはそれを測る指標としてはとても良くできた指標です。
(関連記事:株初心者のためのPER(割安の指標))

 

 

ただ、株というものは割安で購入しただけで値上がりしていくという単純なものではありません
何か値上がりするための材料がないことには、割安のままずっと株価が平行線を辿ってしまい、キャピタルゲイン(値上り益)を得ることができないのです。

 

その株が値上がりするための大きな材料になりうるものがROEなのです。

 

 

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ROEとは?(ROEの計算式)

ROEは株主資本利益率といい、株主からみた利益率を表した指標ということができます。

 

まだ少しピンとこないですが、とりあえずはROEを表す式を見てみましょう。

 

 

ROE計算式

 

 

ROEは一株当たり純資産一株当たり純利益で表すことができます。

 

一株当たり純利益は企業の発行済株式総数が100万株あり、企業活動により、税金等も引いた利益が1億円あったとしたら、一株当たり純利益は以下のようになります。

 

1億円÷100万株=100円/株

 

 

 

一方、1株当たり純資産について考えましょう。
純資産とは資産から負債を引いた額です。
(→資産についての記事はこちら)

 

つまり、純資産=資産-負債ということですね。

 

一株当たり純資産とは、純資産を発行済株式数で割ったものです。
純資産が100億円で発行株式数100万株だとしたら、一株当たり純資産は以下の式になります。

 

 

100億円/100万株=1000円/株

 

 

 

まとめるとこの企業のEPSとBPSは以下のようになります。

 

EPS(一株当たり純利益)=100円/株
BPS(一株当たり純資産)=1000円/株

 

 

 

 

よって上述した企業の場合、ROEは以下のように算出されます。

 

ROE=100/1000 ×100=10%

 

 

 

ROEの指標の意味

上述したような式でROEというものは算出されるわけですが、そもそもROEとは何を表している指標なのでしょうか?
そして、何故投資家に重要視されているのでしょうか?

 

 

それを考えるために、今一度式を見てみましょう。

 

ROE計算式

 

この式の意味を言葉で表すと以下のようになります。ROEがイメージしやすいように2つの言葉で表現しましょう。

 

「一株当たりの純資産において、どのくらいの純利益を稼ぐことができているのか」
「株主のお金(純資産)を使ってどのくらい効率的に利益をあげているか」

 

ROEは「株主からみた利益率を表した指標」を表しています。

 

 

何故そのようなことが言えるのかというと、純資産というものは株主のお金だからです。
実際に会社が何らかの理由から解散した場合、資産から負債を引いて計算された純資産が株主に分けられます。
その為、純資産は解散価値という見方もできます

 

そう考えると、株価と一株当たり純資産を比較するPBRと言うのは理に適っていますよね。自分が払ったお金(株価)よりも手に入れたお金(純資産)の方が大きいわけですかね。
(関連記事:PBRの考え方)

 

 

ただ、ROEの場合はPBRと異なり株価と比較しているのではなく純利益と比較しているわけですね。

 

つまりROEを見ると、この企業は株主のお金(純資産)を使ってどのくらい効率的に稼いでくれる企業なんだろう?ということが分かるのです。

 

 

 

例えばですが以下のような企業があったとします。
EPS(一株当たり純利益):100円/株
BPS(一株当たり純資産):1000円/株

 

 

この企業は一株あたり1000円というお金を所有しており、一年で100円の利益を上げてくれる会社となります。
この場合、ROEは10%ということになります。

 

殆どの方は理解していると思いますが、純利益が100円であれば配当金も100円というわけではありませんからね。
純利益の中の数十%(このパーセンテージを配当性向と言います)を配当金として払って、残りを会社の運転資金等にするわけです。
(関連記事:株初心者のための配当利回り(株主還元の指標))

 

 

 

ROA(総資産利益率)

ROEとよく似た指標としてROA(総資産利益率)というものがあります。

 

ROE=一株当たり純利益/一株当たり純資産×100 なのに対し、
ROA=一株当たり純利益/一株当たり総資産×100 となります。

 

 

ROEが「株主からみた利益率を表した指標」なのに対し、ROAは「会社からみた利益率を表した指標」ということができます。

 

会社からみれば、純資産も銀行からの借入金等も会社のお金であり、そのお金を使用する際は、別に区別をつけません。

 

 

ROEによる優良株探し

さて、このROEなのですが10%を超えると優良株と言われています。(業種にもよりますが・・)

 

IT関連株では、大型な設備投資みたいなものがないので、ROEをが高くなる傾向があります(25%以上なら優良株なイメージを私は持っています)
製造業等で10%を超えている企業はやはり力がありますね。

 

例えば私の主力株である寿スピリッツはお土産をつくる会社ですが、ROEは15~20%以上になることが多くROE的には頼もしい企業ですね。
(関連記事:寿スピリッツは優良なインバウント株)

 

 

 

さて、ROEは重要な指標であり株価が値上りするための大きな材料になりうるということを冒頭で書きました。
なぜROEは株価が値上りするための大きな材料になりうるのでしょうか?

 

 

 

株が値上がりする要因というのは様々あります。
例えば為替の問題もありますし、世界情勢金融政策も値上り要因ですよね。

 

しかし、株が値上がりする上で最も重要なものは企業が安定的にしっかりと利益を出しているかです。

 

それ以外の要因というのは限定的に値上がりするだけで、結局は利益の多寡が株価を左右します。

 

安定的に利益を出している会社は配当金や内部留保(個人で言う預金)としての純資産が大きくなっていくんで嫌でも株価は大きくなっていきます。
純資産は株主のものですから、純資産が大きくなれば株の価値が高くなって値上りしていくというのは想像がつきますよね(^^)

 

内部留保で自社株買いという株主還元政策をすることもあるでしょう。
(関連記事:自社株買いの株価が上がる仕組みとその罠)

 

 

 

いくら、日本の経済が好調だったり法人税が減税というような、株価にとってプラスになりやすいような材料が出たとしても、企業が効率よくお金を稼げてないとなったらその企業の株価はあがることなく下がっていくことでしょう。

 

ROEが低い(効率的に利益を出せていない)ということは、お金が増えていかない(純資産が増えない)ということですからそれだったら企業の株を購入するのではなく、リスクの少ない預金にお金を回した方がマシというものでしょう。

 

ROEが低い企業はちょっとした要因で赤字にもなりうるので、そういった企業に投資をするべきではないでしょう。

 

 

 

ちゃんとROEを使いこなして、優良株に投資をしたいものですね(^^)

 

 

 

 

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