投資のうまい話は疑え!!
日本は世界と比べてGDPこそ高いものの、時間あたりの生産性は先進国の中でも低いことが知られています。
この時間あたりというのも、日本の悪しき文化であるサービス残業を入れるとさらに落ちることでしょう。
(関連記事(外部リンク):OECD加盟諸国の国民1人当たりGDPと労働生産性)
ストレスは高くなる一方で上がらない給料をみて、投資に興味を持った方は多いことでしょう。
その選択は正しいものであると、金融知識をある程度有している人であれば誰でも分かることでしょう。投資に興味を持ったあなたは搾取される側の人間から脱却できる可能性を秘めています。
日本人には投資をギャンブルと考え、調べもせず拒絶する思考停止人間が多いですからね。
(関連記事:長期株式投資をギャンブルと思っている人は株式会社で働くな!)
投資に興味を持っているということは少なからず儲けてやろうという気持ちがある訳ですが、中々成果が出なかったり、勉強するのが億劫だったり、逆に投資金額が減ってしまったという方もいるかもしれません。
そして多額のお金が集まる投資の世界には、そういった人を獲物と見て蜘蛛の巣を張っている人がいます。
そういった人は下記のようなキャッチフレーズで、楽して儲けたいという私達の心を鷲掴みにしようとします。
- 1日10分で月収100万円
- 初心者でも日給10万円
- 秒速で1憶稼ぐ
とても魅力的で魔力を感じますよね。
そして、現実世界でも本当にそれだけ稼げる人たちがいるということも事実です。
一時期ジェイコム男として有名になったB・N・Fさんは誤発注を利用して16分で20億円というお金を稼ぎました。まさに秒速で億を稼いでいます。
(関連記事(外部リンク):【伝説】無職から資産200億を築いた天才株トレーダーBNFの経歴書)
私もお金が大好きなので、そんなキャッチフレーズに全く引き付けられないかと言ったら嘘になります。
ストレスを貯めながら1日8時間以上働いて、月収が20~30万円しかないわけですから、そんなうまい話はないと思いつつどんなものなのか知りたいという欲求は生まれるのが人間というものでしょう。
ただ、だれでも簡単に稼ぐ投資法があるかというとそんなものはありません。
巷にあふれているうまい話は情報弱者を食い物にした詐欺的なものがほとんどです。
今回は皆さんがこれから投資に関する情報を調べる上で、詐欺的な話に引っかからないように、現実にある例を踏まえてお話したいと思います。
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詐欺師はお金持ちを装い情報商材を売ってくる
投資は一朝一夕でうまくいくものではありません。
買うタイミングや株選択を誤ると、損失が出てしまうこともあるでしょう。
そんな損失が出てしまっている状態は、心が平常心ではいられなくなります。
そして、そんな状態のときに人は騙されやすくなってしまいます。
神王リョウや与沢翼といった投資家をご存知でしょうか?
テレビとかにも出演し、華やかな生活をしている彼らはお金持ちであることは間違いありません。
そして彼らは弱った心に響く言葉を囁きます。
「誰でも簡単に稼げる」
「すぐ金持ちになれる」
世の中お金ではないなんてことは思いつつも、やはり彼らのような生活を見ていると、憧れを抱かずにはいられません。
高層マンションに住み、ストレスのある会社勤めからは開放され、経済的自由を手に入れた彼らはとても華々しくあなたの目に映ることでしょう。
「彼らのアドバイスを聞けば自分もあんな華々しい生活ができるかも、、」
こうやってカモがどんどん増えていくわけですね笑
彼らのようなビジネスモデルはある程度確立されています。
自分は金持ちであることをアピールし、自分のようになるにはどうすればいいかというノウハウを情報商材として販売します。
こういった類の詐欺師たちはとにかく金持ちであることを印象付けなくてはいけないので、借金をしてでも見せ金を用意します。
とにかく金持ちへの憧れを抱かせることがキモですからね。
射幸心に火をつける必要がありますから、具体的に金持ちになるとどんな生活ができるかイメージさせなくてはいけません。
そして100人のうち1人程度が情報商材を購入するのですが、こういった商材はほとんど中身がありません。
そのため、儲けることはほとんどできません。
そして、稼げないからお金を返してほしいということを詐欺師に伝えるとこのような言葉が帰ってきます。
「道半ばで諦めるような思考では一生そうやって諦めて生きていくことでしょう。そうしたいならそうしなさい」
そして続けざまに、
「私のような金持ちになるにはたくさんの苦労をするものです。ただ、その苦労をショートカットする道はあります。この顧客リストを購入しなさい。この顧客は潜在的に購入意欲の高い人達です。こういう方々に営業すれば、たちまち私のようになれるでしょう。金額は特別価格のウン十万円です」
なんてことを言われます。
クーリングオフしようと思ったのが、気付いたら新たに商品を買わされてしまいました。
そして、こんなやり取りがエンドレスに続いていきます。
こういった神王リョウや与沢翼が儲けてきたシステムは、「闇金うしじまくん」というマンガでかなり分かりやすく描かれています。
なんせ、モデルが与沢翼なんで(笑)
闇金ウシジマくん 1-38巻セット (ビッグコミックス)
与沢翼の情報商材商法は30~32巻で描かれています。ウシジマくんの作者に取材を受けた与沢翼も「ここまで書かれるとは思わなかった」と苦笑いするほど生々しく書かれています。
興味ある方は読んでみて下さい。
ここまで書けば分かるかも知れませんが、彼らのような人種はB・N・Fさんのように投資などで儲けているわけではありません。
情報商材を販売することで儲けています。
もしかしたら何かで以下のように1日何百万円というお金を稼いだという話を見かけるかもしれません。
上に張り付けた動画では、どうやらコメントをみると「じ、時給22万円...汗」みたいなことが書いてあるので、簡単に儲けている動画なのでしょう。
全然中身見ていないですが(笑)
しかし、それは極端な話、100回中1回成功した投資を動画としてのせているだけかもしれません。
よくある騙しの手法ですよね。
「銀と金」というマンガの馬券の騙しシーンに似ています(笑)
全てのレースを当てているということを印象づけて銀さんは相手にタダものではないと印象付けているが・・
実はほぼすべての馬券を買ってるだけです。
こういった動画で与沢翼は投資で儲けているという意識を相手に刷り込んでいるわけです。
何故彼らが儲かっているように見せるのかというともちろん自分の情報商材を売りたいからです。
自分の情報商材を販売するためには、いかに簡単に自分が金を儲けているのかということをイメージさせる必要がありますからね。
また、与沢翼が疑わしい証拠が先ほど挙げた動画のコメント欄にもありました。
このコメント欄見ると、みんな良いことばかり書いているんですよね(笑)
多分自作自演か、与沢翼の情報商材を買っている信者の方がコメント欄に良いことを書いていて、都合の悪いコメントは削除しているんだと思います。
さらにいうと最近はお金をもらうことでFacebookの「いいね」の数やtwitterのフォロワー数を増やす業者が存在するので、そういったところに複数のコメントを依頼しているのかもしれません。
ここまでさんざん与沢翼らを詐欺師と罵ってきましたが、もしかしたら彼らは本当に素晴らしい投資手法を知っているのかもしれません。
それによって今の財を築いてきた可能性はありえます。
ただ、彼らは素晴らしい投資手法を知っていたとしても、そのノウハウを売ることはしません。
なぜなら彼らのように頻繁に売買する短期投資というものは、ゼロサムゲーム(儲けた人と損した人の総和がゼロになるもの)なので、別の人がそのノウハウを知ってしまうと、自分が儲けられなくなってしまうのです。
つまり、儲けられるノウハウがあるのであれば、それは人に教えるべきではなく、自分の中に留めておくべきものなのです。
そんな折角の儲け話を本当にあなたに教えるでしょうか?
(関連記事:投資必勝法が絶対に売られない理由)
そう考えると、彼らの正体が見えてきますよね(笑)
普通では騙されない話だとしても、お金の魔力というのは凄まじいもので、心が弱っている状態だと詐欺的な誘惑に負けてしまうことがありえます。
彼らのような詐欺師のうまい話にはつられないようにして下さい。
自転車操業をする投資詐欺
また、投資詐欺として横行しているのがファンド型の投資詐欺です。
こちらも投資初心者を対象とした詐欺であり、普通の投資家であれば騙されるはずもないような話を持ちかけてくるものです。
「百万円預ければ年間利回り30%で、3年後には複利効果で220万円になっていますよ」
「毎月配当が貰えるのでお小遣い感覚でお金が戻ってきます」
なんて話があったとしたら信じるでしょうか?
確かに投資において複利効果を高めるということは大事です。複利効果を高めるために私はこういったサイトで長期投資を薦めているので、そこには異論をはさみません。
(関連記事:長期投資による複利効果の恩恵を受けるべし!)
ただ、残念ながらこの話にはおかしな部分が多々あります。
おかしな部分の1つ目は年間利回りが30%という部分。そんな高い運用率が3年間も続く保証ができるはずがありません。
腕のいい投資家が運用すると、たまたま振り返って考えると3年連続で年間利回りが30%だったということはありえます。
しかし、その腕のいい投資家に年間30%で3年間運用してくれと依頼した場合、そんな利回りは保証できないと100人中100人が答えるでしょう。それくらい年間利回り30%は難しいことなのです。
世界一の投資家と言われるウォーレン・バフェットですら年間利回りは20%程度と言われています。
何の根拠があってそれを超える利回りを実現することができるのでしょうか?
要するに年間30%の運用というのはいかに投資のプロと言えど現実性を帯びていない数値なのです。
おかしな部分の2つ目は「複利効果」と言っておきながら配当が出ると言っている点です。
複利効果は運用によって発生した利益を再投資することで発生します。それなのに、配当を払っていたら配当分に複利効果が働きません。
投資知識の少ない人がなぜか大好きな投資信託やREITのような金融商品では年間の実質利回りが3~5%という高配当を出しているものがありますが、そういった投資信託も自転車操業をしているような商品もあります。
配当金を出すとどうしても複利効果が得られないので、例え3~5%程度の配当金だとしても、配当金を払いながら高収益を叩き出すというのはかなり大変なのです。
(関連記事:投資信託をやるべきではない7つの理由)
結局こういうおいしそうな話というのは詐欺なのです。
実際の手口としては、最初は配当金を出して、さらなるお金を客から引張り高飛びするというのが多いみたいですね。
例えばですが最初に100万円預けたとしたら、毎月3万円ずつ配当金をしっかり出すのです。
すると、あたかも毎月3万円が増えていっている錯覚に陥ります。実際は100万円を切り崩して3万円払っているだけなのに、100万円が103万円に増えた感覚になるのです。
それが毎月続くと、毎月の配当金を増やしたいと思うようになります。毎月3万円なのが、毎月10万円になったらいいなぁと思うようになり、さらに200万円追加で預けます。
そうやってどんどん客からお金を集め、ある程度集まったところで詐欺師は高飛びをします。
騙された客は、パタッと止まった配当金の支払いに気付き詐欺師に電話をするものの、その電話が繋がることはありません。
こうやってファンド型の投資詐欺は人を騙すわけです。
さいごに
投資のうまい話にのってはいけません。
その話は、あなたを金持ちに導くように見えて、奈落へ落とす罠かもしれないのですから。
金融リテラシーを持っていれば、うまい話が早々ないことは分かるはずです。
最近ですと、仮想通貨に関する投資詐欺が横行しているので気をつけて下さい。
仮想通貨も素晴らしい技術や理念のものも数多く存在しますが、現在の状況で購入することは投資ではなく投機です。
もしかしたら大きな値上りで莫大な利益をあげることができるかもしれませんが、何の価値もない電子的な数値を手に入れただけになる可能性もあります。
仮想通貨というものが浸透した世界になったときに、初めて購入してその便利さを体験すればいいのではないでしょうか?
税金も高いですし旨味が薄い気がします。
(関連記事:長期投資家の私が仮想通貨投資をやらない5つの理由)
じっくり腰を据えて、正しい投資をするのが健全な投資です。
投資家として大成するには、うまい話に騙されず、突拍子もない話に乗らず、合理的判断を下せるようにならなくてはいけません。
最初から人を疑ってかかるというのも良くないかもしれませんが、それでもお金が集まるところには詐欺師も集まるものです。
大金を動かすときは決して詐欺師に騙されないようにお気をつけ下さい。
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