投資は心に余裕が持てる程度の余裕資金で行うべき

投資は心に余裕が持てる程度の余裕資金で行うべき

投資は心に余裕が持てる程度の余裕資金で行うべき

余裕資金

 

投資はリスクと隣り合わせということはだれでもご存じのことかと思います。
それは長期株式投資も例外ではありません。

 

株は儲けることもあれば、損することもあります。
絶対に損をしない投資なんてものはありません

 

そのように聞くと、必要以上にリスクを恐れて、
「じゃあ、投資をしないで堅実に銀行預金をしたり、投資のプロが運用してくれる投資信託という選択肢が確実だね」
なんて人がいますが、それは恐ろしい勘違いであることは、こういう投資ブログに辿り着いている金融リテラシーの高い人であれば当然わかっていることでしょう。

 

 

長期株式投資はしっかりとした知識を持って優良株の選択をすれば、数ヶ月で何十倍ということはないものの、期待値としてはプラスになります。

 

しかし、やはり何かの拍子に資産の大半を失うリスクが潜在的にあることは常に頭に入れて置かなければなりません

 

そういったリスクをはらむ株投資において、投資初心者、もしくはこれから投資を始めようと思っている方に、絶対に守ってもらいたいルールがあります
それは、余裕資金(余剰資金)で投資を行うことです。

 

 

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余裕資金で投資を行うべきたった一つの理由

余裕資金というものはどういうことかというと、仮にそのお金がなくなったとしても生活に支障がなく、有事にも対応できる資金を除いた資産です。

 

預金のほとんどを投資に使うなどという行為は原則やってはいけません。
レバレッジをかけて、預金額以上の投資をするということは論外です。
(関連記事:株で失敗すると多額の借金が残る?)

 

確かに投資は資金をかければかけるほどリターンは大きくなるかもしれません。
また、巷では日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法といったような少ない元手で投資を成功させた体験談の本が数多く溢れているわけですから、レバレッジをかけて大成功を収める人も一定数は存在するのでしょう。

 

ただ、そういう人はよほど運がいい人か、投資センスのある人のどちらかです。ほとんどの人は余裕資金で投資をしないと資金をマイナスにしてしまうことでしょう。

 

 

ちなみに上記の本はタイトルだけ読むとクソ本っぽいですが、評判が良かったので購入して読みました。
説明はかなり理に適っており、リスクをそこまでとらない割には確かに収益は大きくなりそうな内容が数多く書かれており、タメになりました。
長期投資家でも短期投資の手法や考え方くらいは把握しておいた方がいいかなぁと思わせてもらえる良本ですね。

 

詐欺っぽいタイトルがとてももったいない本です笑

 

 

 

 

さて、話を戻しましょう。

 

余裕資金で投資を行えば、確かに投資に回せる収益は落ちてしまいます。
長期株式投資においては百万円を二百万円にするのも、千万円を二千万円にするのもほとんど労力は同じです。

 

つまり、投入資金を大きくすればするほどリターンは大きくなるはずです。
(市場に影響を与える数億円というお金を一気に投入するということであれば話は別ですが)

 

しかし、それは机上の空論であり、余裕資金で投資を行わないと確実に収益が落ちてしまいます
私自身、そういった経験を何度もしています。

 

 

なぜ投資資金を減らしてまで、余裕資金で投資を行った方がいいのでしょうか?

 

 

 

 

 

それは、株式投資とは心理的要因を排除し、冷静な判断を常に下す必要があるからです。
これが余裕資金で投資をするべきたった一つの理由です。

 

心理的要因というのは、自身の不安感期待感過熱感といったものです。

 

株式投資は自制心を持って冷静に市場や企業を分析し、判断を下さなくてはいけません。人間は根源的に目先の利益にとらわれてしまう生き物です。
長期株式投資は目先の利益ではなく、長期的な視点で利益を大きくする投資ですので、意識的に将来の利益を冷静に想像する必要があります
(関連記事:【マシュマロ実験】人は自制心を持たないと未来に投資できないと理解する)

 

 

 

 

株式投資をしていると、株の値段が下がり、損をしたと感じる時が絶対にあります。
買ってすぐに10%近く値下がりしたときもあれば、急騰したと思ったら、その分すぐに急落したなんてことは、誰もが一度は経験があることだと思います。

 

 

人間は百万円得したときと百万円損したときでは損したときの方が強く記憶に残ります。
そのため、損したときは絶対に「もう少し買うのを待っていれば・・・」「あの時に売っていれば・・・」と強く思ってしまいます。

 

はっきり言って、そんなのは考えるだけ無駄です。
インサイダー情報を持っていない限り、どんな投資家も株を最安値で買う、最高値で売るなんてことはできないのです。
(インサイダー情報を持っていたとしても、最高値での売却は難しいでしょう)

 

 

 

そういった特性を持っている株式市場に、余裕がなくなるくらいの資金を投入したら、人間心理としてどうなるでしょうか?

 

「子供の為に貯めていたお金が消えてしまう・・。このままでは大学行かせてあげることができない・・」
「保険に入っていないから、万が一の為に貯めていたお金が無くなっていく・・。事故とか起きたら死ぬしかない・・」
「結婚資金が・・。なんとかして取り戻さなければ・・」

 

こんな感じで、冷静を保った判断ができなくなりますよね。
前述したとおり、長期株式投資ではこういった感情で判断してはいけません。

 

企業の株価が本来の企業価値よりも高いか低いかで判断する必要があるのです。

 

 

 

株式投資を冷静な判断でできなくなることは危険です。
どんどん株価が下がっていくと、見るに耐えられなくて株を売ってしまう、なんてことは初心者ではなくてもやってしまうことです。

 

しかし、それではいけません。
もしあなたがその企業に投資をした理由に変更がないのであれば、例え株価が半分になったとしても、腰を据えて見守れるようでなければいけません
(関連記事:長期投資家がブログを書くべき6つの理由)

 

 

株を買ったときは、今後成長する余地があると思ってその株を買っているはずです。
そんな当初の投資判断も忘れ、下がっていくのが見るに堪えないから株を売るなんていうのは愚の骨頂です。

 

また、株の上下が気になって、仕事に手がつかないなんて場合も同様です。

 

 

資金を大量に有する機関投資家は、自身が株を安く購入し、高く売却するための仕掛けを多数仕掛けてきます。
市場を操作できるくらいの資金を有しているわけですからそういうノウハウも機関投資家にはあります。

 

本来、市場操作は禁止されているのですが、多額の資金を有する彼らはどうしても市場に影響を与えるくらいの資金を動かすことになるので、市場操作をしようとしているのか、普通の売買をしているのかの区別が付きづらく、そういった操作が横行しているというのが現状です。

 

操作と聞くと、そんな投資のプロたちに操作されている市場で本当に自分が勝つなんてことがありうるのだろうか?と考えてしまうかもしれません。

 

しかし、彼らに勝つのは容易です。
彼らの仕掛けをことごとく無視すればいいのです。

 

機関投資家は、人々を不安にさせて株を売却させて安くなったときに購入する、もしくは過熱させて高くなったところで売却するといったことを基本的に繰り返します。

 

もしすべての人が不安になったり過熱することがなければ、損をするのは機関投資家です。
ですので、機関投資家は長期株式投資家があまり好きではありません。

 

折角株価を安値にしようと仕掛けているのに、安値になって機関投資家が購入しようとするタイミングで長期投資家も購入するわけですから、利益を長期投資家に奪われることになります。
自分たちの利益を奪うような長期投資家を好ましく思うはずがないですよね?

 

 

長期投資家は市場に振り回されることなく、このように強かでなくてはいけません

 

 

強かであるためには、冷静さが不可欠です。
もし株価が気になって冷静でいられないならば、それは余裕資金以上のお金を投資してしまっています。投資金額を減らすことを考えた方がいいでしょう。
(関連記事:株が気になって仕方がない場合は保有株の金額を減らした方がいい)

 

 

 

 

最低限保有しておくべき現金はどのくらい?

さて、ここまで余裕資金で投資をした方がいいということを話してきましたが、逆に最低限保有しておくべき現金(有事のための現金)はどのくらいあるといいのでしょう?
その目安としては月々の生活費3ヶ月分と考えればいいでしょう。

 

 

つまり、以下の計算式が成り立ちます。

 

 

余裕資金計算式

 

 

 

最低限保有しておくべき現金はすぐに引き出すことのできるお金として口座を分けるなりして大事に保管しておきましょう。
もしかしたら投資が大成功を収め「もっと多くの資金を投入すればさらに儲けることができるかも知れない」という思いに駆られるかもしれませんが、そこはぐっと我慢です。

 

絶対にそのお金に手をかけてはいけません

 

 

 

突然会社をクビになるようなことがあっても3ヶ月分の生活費があれば次の仕事を余裕持って探すことができるでしょう。

 

 

ちょっと入院することになったというようなことがあっても3ヶ月分あればある程度まかなえるはずです。
保険に入っている人であれば、そういったお金が降りるでしょうし、病気で高額のお金が必要になるなんて場合は、いくら預金していたところで足りないでしょうから諦めましょう笑

 

高額の場合は国からお金が出ますしね。

 

 

 

そういうわけで3ヶ月分の生活費を確保して、残りの資金を投資に回しても良いお金と考えるようにしましょう

 

「本当にたった3ヶ月分の預金だけで足りるの?」なんて思う方もいるかも知れません。
ちょっと心もとないと思う気持ちは十分理解できます。

 

ただ、よく考えて下さい。
投資に回しているお金もいざとなったら全て現金にすることは可能です。

 

株を売却して現金に替え、証券口座から銀行口座へお金を移すなんていうのは数日あればできることです。
投資をしている会社が倒産した場合、一気に資産が減る可能性がありますが、分散投資をしていれば投資に回しているお金がすべてなくなるなんて確率は無に等しいことでしょう。(関連記事:バフェットは集中投資を推奨しているけど、分散投資の方がリスク少ないんでしょ?)

 

そのため、3ヶ月分の生活費さえ確保していれば十分なのです。

 

 

さいごに

投資とは心理的要因が投資成績に大きく影響します。
私自身、みるみる上がっていく株価をみて冷静さを失い、今が投資のチャンスと高値掴みした苦い経験が何度かあります。

 

ただでさえ激変する市場に目がくらみ冷静さを失いやすいのが株式投資です。
そんな市場で冷静さを失わないために余裕資金で投資をすることは絶対条件です。

 

くれぐれも有事のための現金にまで手をかけてしまうくらい投資に熱中するのは避けましょう。

 

 

 

 

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